北海道3エリアを歩こう 北海道東部

神々とともに生きるアイヌ文化を知る

~阿寒湖アイヌコタンを歩く~

阿寒湖アイヌコタンを歩く

北海道の町の名前、山や川の名前の殆どはアイヌ人が呼んでいた言葉を漢字に割り当てたものだと言われています。北海道(蝦夷と呼んだ)の調査人を案内したのは、アイヌ人だったことがわかります。

アイヌ民族は10人程度の小家族で、狩猟生活を行う移住民だったようです。小家族への連絡所の役割を果たしていたのが集落で、平取町(二風谷)、白老町(ポロト湖)、阿寒町(阿寒湖)は有名です。自然界には心があるというカムイ(神居)の精神が生活の基盤です。日々の生活は自然への語りかけが基本で、祭りは神様への祈りを表しています。独特の発声、音、そしてアイヌ語を知ることは北海道を深く知るきっかけになります。



やってきました。アイヌコタン。阿寒湖には面していませんね。集落は意外とこじんまりしています。入口には守り神であるフクロウの巨大な木彫りアーチがあります。30軒ほどのお土産店や飲食店が向かいあって建っています。中央にはトーテムポールがあり、ポールに刻んでいる形の一つ一つが阿寒に住むアイヌ人の生活と深い関わりのある神の象徴(ヒグマ、クジラ、鹿、フクロウなど)であることがわかります。

入り口の大きな木彫りのフクロウ
中央にあるトーテムポール
アイヌコタンの地図
入り口の大きな木彫りのフクロウ 中央にあるトーテムポール 拡大する

住まい:

チセ/住宅のことをチセと言い、小さなチセのことをポンチセと言います。
ひとつのポンチセには1家族2~4人でいろりを囲んで暮らしていたようです。炊事などは外。

ポンチセ
ポンチセの内部

神への祈り:

アイヌ人には「自然界には心があり、神が形を変えて近くにいる」という思想があります。ですから、神に感謝し、祈りを捧げる「舞い」や「歌」が数多くあります。
この中でも、有名なのがイオマンテです。ヒグマの姿をかりて人間の世界にやってきたカムイを送りだす儀式です。ここ阿寒では、アイヌ古式舞踊として、広く文化を伝える活動を行っています。新しく演舞場が完成し、多くの方々が鑑賞しています(イコロセンター)。

火祭り

アイヌ古式舞踊:

北海道に居住しているアイヌの人々によって伝承されています。祭祀の祝宴や各種行事の時に踊られます。
歌(ウポポ)と輪踊(リムセ)を基本に,動物のしぐさを真似た踊り、儀式的な踊り、生活を表すしぐさなど神への信仰と密接に関わっていてとても重要です。

酒こしの舞
黒髪の踊り
酒こしの舞/
歌いながら豊作に感謝し酒を造る女歌。儀式。
フッタレチュイ/
心臓破り(黒髪の踊り)
松の木が風に揺れる自然を表現した踊り。

ムックリ
鶴の舞
ムックリ/
口琴と呼ばれる竹製の楽器。
アイヌ独特の音がします。
鶴の舞/
羽織を鶴の羽に見立て、親子鶴が飛ぶ愛らしい姿を表現

買物/手彫り

キーホルダー
木彫りフクロウ
木彫り手鏡
キーホルダー 木彫りフクロウ 木彫り手鏡

熊の家

木彫りのお店「熊の家」さんの地下室展示場に寄りました。なんといっても圧巻は一刀彫の人形です。すべてが実在した人を彫ったそうです。店主の藤戸さんはとても高名な方で北海道だけではなく、世界中の有名な方々に今も一刀彫を制作しているそうです。まさに、芸術です。
1階には様々な木彫りの置物があります。目に飛び込んできたのが、iPphone3用の木彫りケースと、木彫りの腕時計バンドです。「3週間ほどかかって彫り上げた世界で1点の掘りものです」と、息子さんが熱く語ってくれました。使うほどに渋みが増すんだろうな。

熊の家
一刀彫の人形
店主藤戸さんの息子さん
熊の家 一刀彫の人形 店主藤戸さんの息子さん
木彫りの腕時計
木彫りのiPhoneケース
木彫りの腕時計 木彫りのiPhoneケース